ブリヂストンは10月17日、独自のICTに人工知能(AI)を実装した最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」を、2016年内にハンガリーの乗用車用タイヤ工場であるタタバーニャ工場に展開すると発表した。
「EXAMATION」はタイヤ1本あたり480項目の品質データをセンサーで計測し、全ての部材が最適条件で組み立てられるよう、リアルタイムで自動制御するAIを搭載したシステム。これにより、極めて高精度なタイヤ製造を可能とし、従来製法に比べて新円性を15%以上向上している。また、複数のドラムを配置したマルチドラム製法を採用し、部材の貼付け動作を同時並行で行うことで、従来製法と比べて約2倍の生産性を実現。さらに、これまで技能員のスキルに依存してきた生産工程や品質保証の判断・動作も含めて全て設備側で自動化しており、人の介在に伴うバラツキを抑制している。
同システムは2016年5月にブリヂストングループのフラッグシップ工場である彦根工場に導入されおり、海外への展開はタタバーニャ工場が初。タタバーニャ工場では、2016年6月末時点で約6000本/日の生産能力を2017年上期中に約1万8000本/日まで増強する計画を進めており、今回の導入はその一環となる。
なお、「EXAMATION」は2016年内の稼働を予定しているロシア新工場にも順次展開される予定となっている。