SBI証券と日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は10月14日、共同でブロックチェーン技術を活用した新たな分散プラットフォームによる債券取引システム構築を目指し、その実現性や効果を検証するための実証実験を開始すると発表した。これにより、証券業務ブロックチェーンの早期商用化を目指す。

同実証実験においてSBI証券は、金融ビジネスコンサルティング/アプリケーションの開発支援サービスであるIBM Bluemix Garageを通じて、業務観点とシステム観点でブロックチェーン技術を評価する。これにより、債券業務に対するブロックチェーン技術の活用可能性の検証と業務利用における課題を抽出し、実ビジネスへの適用に向けた整理を進めるとしている。

具体的には、債券の登録から償還までの一連の商品サイクルの検証を通じ、データベースの共有による業務の効率化・自動化、共有インフラを通じた関係者間のインフラコスト削減の可能性、既存業務プロセスの代替可能性、ブロックチェーン技術の証券業務・システム面からの評価を検証。オープンソース・コミュニティであるLinux Foundationが提唱するハイパーレッジャー(Hyperledger)プロジェクトのブロックチェーン基盤で、ハイパーレジャーファブリックを使用し、プロトタイプを開発する。なお、このハイパーレジャーファブリックは、IBMクラウドの「IBM Bluemix」上のサービスとして提供されるものを利用する。

今回の実証実験で日本IBMは、IBM東京基礎研究所を含むグローバルのIBMリサーチとの連携や、金融機関を含むグローバルでの顧客検討実績など、グローバルのネットワークを活かしたサービスを提供するとしている。