NECは、新生児/乳幼児専用の指紋撮像機器の試作機を開発し、米ミシガン州立大学と共同でインド共和国にて実証実験を実施し、生後6時間の新生児をはじめ生後6カ月未満の新生児・乳児100人以上の指紋撮像に成功したことを発表した。
同試作機は、1270ppiの解像度を有するCMOSイメージセンサと、指紋画像を強調するためのグラスファイバーを結束して板状に成形した特殊ガラスを組み合わせることで、新生児や乳幼児の小さく細い指の指紋撮像を可能にした装置。
新生児や乳幼児に適用するため、奥行72mm×幅35mm×高さ7.5mm、かつ重量50g未満と小型軽量を実現しているほか、エッジ部分に丸みを持たせた加工により、安全・安心な指紋撮像を可能にしている。また、操作も手軽にできるように、センサ部分に新生児や乳幼児の親指を置き、利用者が機器背面のボタンを一度押すだけで済むように工夫が施されている。
なお同社では今後、同試験機などの提供を通じて、発展途上国における新生児・乳幼児の指紋認証による厳格な本人確認を実現し、ワクチン接種や食糧供給の適正化、出生証明の適正な管理、新生児の取り違え防止などにつなげていきたいとしている。また、実証実験の成果については、11月16日および17日に開催される「第6回バイオメトリクスと認識・認証シンポジウム」にて発表される予定だという。