三菱化学と宇部興産は10月13日、両社の中国におけるリチウムイオン電池用電解液事業で提携することについて合意したと発表した。
リチウムイオン電池は、スマートフォンやタブレット端末など民生携帯機器用途を中心に伸長してきており、最近ではハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、電気自動車(EV)などといった環境対応型自動車向け用途での大きな成長が期待されている。特に中国においては、政府の補助金による促進政策もあり、EVおよび車載用リチウムイオン電池の市場が急速に拡大。電解液を含む電池材料の需要が急伸する一方で、新興メーカーの台頭もあり競争が激化している。
今回両社は、知的財産を含む技術資源の相互利用や生産技術の融合などによって、技術力とコスト競争力を強化することでより優れた競争力ある電解液を供給していくことを目的に、中国における両社の電解液事業を、持分比率50:50の合弁形態で運営することに合意した。
今後は、中国ならびに関係各国の競争法当局の許認可取得に向けた手続きを進め、両社の中国における電解液事業を2017年4月を目処に合弁形態での運営体制に移行する予定。また、他国や地域における生産・開発を含む包括的な事業提携の可能性も検討していくとしている。