宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月13日、FQUROH(Flight demonstration of QUiet technology to Reduce nOise from High-lift configurations)プロジェクトにおいて、実験用航空機「飛翔」のフラップと主脚に低騒音化デバイスを取り付け、機体騒音低減技術の飛行実証試験を実施した結果について発表した。
同試験は、9月12日~9月30日に行われたもので、合計13回の飛行により177回の騒音計測が行われた。具体的には、のと里山空港の敷地内に設置した音源計測装置(マイクロホン・フェーズドアレイ)上空を、飛翔に低騒音化デバイスを取り付けた状態で飛行を行い、騒音の発生箇所を計測。また、試験期間の後半に、低騒音化デバイスをフラップのみ取り付けた状態、次に何も取り付けていない状態で騒音の発生箇所を計測し比較用のデータを取得した。
この結果、いずれも騒音低減効果が認められ、特にフラップは設計で想定していた騒音低減効果が確認されたという。
JAXAは同結果を踏まえて、共同研究パートナーである川崎重工業航空宇宙カンパニー、住友精密工業、三菱航空機とも連携のうえで研究開発を推進し、次年度以降に飛翔および旅客機を用いた機体騒音低減技術の飛行実証を行い、機体騒音低減技術の確立に向けて取り組んでいくとしている。