米Proto Labsの日本法人であるプロトラブズは10月11日、今年8月に実施した神奈川県・座間市への拡張移転に関する記者説明会を開催。日本法人のトーマス・パン社長に加え、Proto Labsのヴィクトリア・ホルトCEOが移転の概要を説明した。
今回の移転はプロトラブズにとって2009年の事業開始以来、2回目となる。パン社長によれば神奈川県大和市の前拠点は「これ以上拡張できないところまで来ていた」とのことで、新拠点は総床面積が約9000m2と、前拠点(総床面積:約3000m2)に比べ大幅に拡大。製造キャパシティは射出成形および切削加工それぞれが50%増加した。拠点規模だけで考えると2009年の事業開始時は約1000m2であり、わずか7年で9倍に拡大したことになる。
同社のサービスといえば、射出成形と切削加工によるスピーディーな受託製造サービスが特徴。Webサイトに設計データをアップロードすると、平均3時間で製造解析および見積もりを提示するほか、射出成形・CNC切削加工によって通常であれば数週間かかるパーツを数日で製造する。同サービスを活用することで、製品開発の期間を短縮できるほか、少量生産でれば設備投資を抑えることもできる。
今後は米国・欧州ではすでに提供している2色成形サービスを10月中に開始するほか、2016年中に鉄・ステンレス用切削加工機を導入し、日本ではステンレス304から取り扱いをスタートさせる。また、3Dプリンティングサービスも予定しており、海外拠点で展開している粉末焼結、光造形、ダイレクトメタル焼結のどの方式から始めるかは未定としつつも、3方式ともいずれは日本で提供するとした。なお、3Dプリンティングサービスは2017年度中、もしくは2018年初頭の提供開始を目標とする。また、拠点を移ったため「ISO 9001、14001、27001を2017年3月までに再取得する」(パン社長)予定だ。
3Dプリンティングサービスは国内ですでに多くのサービスビュローが事業を展開しているが、これに対してホルトCEOは「当社はオンラインベースですぐにやり取りできる仕組みを有している。また、CNC切削加工、射出成形も含めたサービスを提供可能だ。さらに、独自開発のソフトウェアによりCADから効率的かつ迅速にプロセスを進められる」ことが他社との差別化要因になると説明した。