熊本県の阿蘇山中岳の爆発的噴火について気象庁は11日、中岳地下の高温のマグマに地下水が触れて水蒸気となり、この水蒸気がマグマと一緒に噴出する「マグマ水蒸気噴火」だった可能性が高いと発表した。
防災科学技術研究所と産業技術総合研究所が噴出物を分析したところ、1割程度にマグマ由来とみられる物質が含まれていた。マグマが噴出した後に急速に冷やされてできたとみられるという。このため気象庁は、今回、水蒸気と高温のマグマが同時に噴出したとみている。
気象庁によると、中岳第一火口で7日午後9時52分に噴火が発生し、8日午前1時46分に爆発的噴火となった。噴煙は高度11,000メートルに達し、降灰は熊本や大分、香川の各県など広範囲で確認された。1998年以降、阿蘇山で3,000メートルを超える噴煙の観測は初めて。噴火警戒レベルはレベル2の「火口周辺規制」からレベル3の「入山規制」に引き上げられている。
火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は噴火後多い時で1日当たり1,000トン未満と推定されたが11日には同600トン程度に減少している。しかし気象庁は「今後も8日の噴火と同程度の爆発的噴火が発生する可能性がある」と注意を呼びかけている。
噴火にはマグマ水蒸気噴火のほか、高温高圧のマグマが一気に上昇、噴出する「マグマ噴火」と地下水がマグマに触れて主に水蒸気が噴出する「水蒸気噴火」がある。
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