OpenStackコミュニティは10月6日(米国時間)、オープンソースのクラウド構築基盤ソフトウェア「OpenStack」 の14番目のバージョンとなる「Newton」をリリースすると発表した。
Newtonは、ベアメタルプロビジョニングサービス「Ironic」、コンテナオーケストレーションクラスターマネージャー「Magnum」、「Kuryrコンテナネットワーキングプロジェクト」の新機能が、シームレスにコンテナや仮想および物理インフラストラクチャを1つのコントロールプレーンの下に統合する。
また、コンテナクラスタ管理とネットワーキングでのユーザーエクスペリエンスの改善に加えて、拡張性と弾力性を強化している。
拡張性の機能強化としては、「Nova」「Horizon」「Swift」のスケールアップ/スケールダウン機能の向上、Novaコンピュート環境を水平に拡張する「Cells V2」の機能向上、「Heat」のデフォルトでのコンバージェンスの追加、「Ironic」のマルチテナントの強化が挙げられる。
高可用性・適応性・自己修復機能のアップデートもNewtonの注目すべき特徴であり、運用担当者はワークロードの需要に関係なく、さらに高い安定性を確保できるという。「Cinder」「Ironic」「Neutron」「Trove」は、高可用性機能の向上を実現するプロジェクトの例だという。
また、セキュリティの強化としては、「Keystone」ではPCIに準拠して資格情報を暗号化して利用できるアップグレードを提供しているほか、「Cinder」では、暗号化ボリュームから非暗号化ボリューム(またはその逆)へのボリュームタイプの変更も機能として追加されている。
さらに、操作性も向上しており、例えば、「Magnum」では「Swarm」「Kubernetes」「Mesos」というコンテナオーケストレーションツールのプロビジョニングが可能になっている。「Magnum」の新機能には、運用担当者向けのインストールガイド、プラグ可能なドライバーのサポート、ベアメタルサーバー上でのKubernetesクラスタのサポート、非同期でのクラスタ作成がある。