CEVAは9月27日(米国時間)、ディープラーニングや人工知能(AI)機能を省電力な組込型システムに搭載するための次世代DSPベース・ソリューションを発表した。
同ソリューションは、同社の第5世代イメージング・ビジョンテクノロジーを搭載したビジョンDSP「CEVA-XM6」を中心に据え、拡張性を持たせた包括的かつ統合的なハードウェア・ソフトウェアシリコンIPプラットフォームであり、CEVA-XM6を活用することで、機器メーカーの開発者は、スマートフォン、自動運転車、監視システム、ロボット、ドローン、カメラ機能付きスマートデバイスなどにおいて、ニューラル・ネットワークとマシン・ビジョン機能を効率的に活用することができるようになると同社では説明している。
またCEVA-XM6は、新型のベクトル・スカラ演算ユニットを組み込んだほか、命令セット、メモリ帯域幅、ダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)の改良などにより、従来DSP(CEVA-XM4)と比較して、ニューラル・ネットワークの処理能力が最大8倍、コンピュータ・ビジョンの信号処理カーネル全体での処理能力が最大3倍向上させることが可能となったとしており、コンピュータ・ビジョンおよびディープラーニング向けGPUベース組み込みシステムの主力製品と比較した場合では、25倍超の電力対性能効率を提供するほか、AlexNetやGoogLeNetといった畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)処理の4倍高速化を実現できるとしている。
同プラットフォームには、CEVA-XM6 DSPのほかに、以下のコンポーネントも組み込まれている。
- 512MAC/サイクルを実現する16ビットCDNNアクセラレータ
- ARMフレームバッファ圧縮(AFBC)プロトコルを採用し、高いシステム相互運用性を実現した画像ゆがみ補正アクセラレータ
- アクセラレータの効率的活用を可能とするソフトウェア
- CDNN2ソフトウェア・フレームワーク
- 次世代の先進運転支援システム(ADAS)や 自動運転ソリューションの要件に対応するISO 26262アクティブセイフティ規格に準拠した安全性関連ドキュメントパッケージ
なお、CEVA-XM6 DSPおよびビジョン・プラットフォームコンポーネントは、2016年第4四半期に主要顧客を対象に、2017年第1四半期に一般向けにライセンス販売を開始する予定だという。