NECは9月30日、全日本空輸(ANA)における国際線の旅客事業強化に向けたクラウド型国際線旅客システム「Altea」(アルテア)のサービス利用に伴い「Altea」とANAの社内システムを連携する大規模データ連携基盤(CAP2)を構築したと発表した。

今回構築した「大規模データ連携基盤(CAP2)」

「大規模データ連携基盤(CAP2)」の製品構成

同基盤は、NECが過去に構築したANAの共通基盤システム(CAP)の実績とミッション・クリティカルな基盤への知見を基に構築。国際線の予約から出発業務まで安定したサービスを実現するとしている。また、日本オラクルが提供する高速データベース・マシン「Oracle Exadata Database Machine」を採用し、約1億件の予約データの高速処理が可能だという。

統合監視システム管理画面のイメージ

さらに、システム間のデータ連携を行う「Oracle SOA Suite」を導入し、Altea特有の複雑なデータ形式に対応するとともに、NECの統合管理ソフトウェア「WebSAM MCOperations」を利用することで、Oracle Exadataを含め350台を超えるサーバやネットワーク機器を一元的に運用監視できるとしている。

加えて、既存の共通基盤であるCAPとCAP2の管理画面を統合することで、両基盤の障害箇所をダイレクトに発見可能とし、運用性も向上した。同社は同基盤を2年間で構築すると同時に、スムーズな移行を実現。また、稼働率は99.995%以上となり、データの高速処理と合わせて継続的かつ安定した運用を行っていく。

同社と日本オラクルは今後も同基盤の提供を通じ、ANAにおける同基盤を利用した事故・異常気象・災害など不測の事態へのリスク対策、フルサービス・キャリアとしての新サービスの実現に貢献していく方針だ。