日立システムズは9月30日、自治体向けに地震や津波などの災害発生時における職員の初動(災害対策本部の設置や住民の避難誘導など)を支援する「初動支援キット」を発表した。10月より販売を開始する。
同社が自治体に対して実施した地域防災計画の運用に関するヒアリング結果によると、災害時における職員の行動は、災害対応マニュアルの熟読や日頃の訓練などが重要であるが、対応マニュアルに則した行動の浸透が十分に図れていないという。また、全体の対応状況の把握や迅速な情報伝達がしにくいという課題があった。
同社は、これらの課題に着目し、自治体向けの「初動支援キット」を開発。所属部署や役割に応じて、各職員が次に行動すべき内容をスマートデバイス上で確認できるほか、各職員の行動内容や行動時間を記録・可視化し、災害対策本部で初動全体の進捗状況を把握して各職員に対する的確な判断や指示を行う。
地図情報システムや防災マップと連携し、避難所の情報や避難すべき方向をスマートフォンを通じて住民向けに発信でき、災害対策本部が避難所の受け入れ状況をタイムリーに把握できるように支援する。
これらのアプリケーションを災害時においても安定的に利用できるようにするため、可搬型ラックに収納された災害対策本部向けのサーバやPC、スマートデバイス、無線LANルーターなどのITインフラに加え、非常用発電設備や蓄電池などの電源設備などもセットで提供。これにより、庁舎が被災した場合でも、代替拠点において初動をサポートできる。(サーバはクラウドサービスとしても利用可能)
今後、地震や津波だけでなく、風水害、火山災害、雪害などに対応したモデルを追加開発するとともに、一般企業向けにも「初動支援キット」の対応範囲を拡大するとしている。