富士通は9月29日、今後成長が見込まれるデジタルビジネスおよびグローバルビジネスの拡大に向けた体制強化の一環として、富士通システムズ・イーストと富士通システムズ・ウエスト、富士通ミッションクリティカルシステムズの国内SE子会社の3社を11月1日に吸収合併したうえで、2017年度末までにグローバルサービスインテグレーション部門の体制強化を段階的に実行すると発表した。

「新体制」の概要

現在、ICTビジネスを取り巻く環境は転換期を迎えており、富士通では環境変化に対応しつつ、テクノロジーソリューションに経営資源を集中させることで、デジタルビジネスとグローバルビジネスの拡大に向けた体制強化を進めているという。一環として2016年4月には、クラウド、AI、IoTなどのデジタルイノベーションのコアテクノロジー分野の関連事業を結集したデジタルサービス部門を設置している。

同社では、グローバルサービスインテグレーション部門の体制強化に伴い、新たな体制へ移行するにあたり、強い土台作りを行うため子会社3社を吸収合併する。そのうえで、AIやIoTなどのデジタルテクノロジーを駆使する新たなビジネスをフロントで行う組織を3000人規模で編成する。

同組織は、既存のデリバリー組織とは別に、直接顧客にデリバリーする専任のデジタルビジネス推進と、それを支えるミドルウェア、デジタルサービス部門、サービスプラットフォーム部門、富士通研究所などと連携してサポートするサービステクノロジーヘッドクォータで構成。また、各社が持つグローバルビジネス推進機能を統合するという。

さらに、これまでの顧客へのサポート経験をベースに顧客の課題と同社が提供する価値や技術を軸にして、現在は業種、地域別に編成している組織を高信頼・高品質が求められる「社会インフラビジネス」、サービス効率とスピードを求められる「パブリックサービスビジネス」、デジタルとグローバルでの成長が求められる「エンタープライズビジネス」の3つの組織とし、新しいデジタルビジネスやグローバル拡大を加速させる体制へと2017年度末までに強化する方針だ。

吸収合併の狙いとしては、顧客の変革をリードする役割のシステムエンジニア約1万4000人を集結させることにより、各社に分散していた業種・業務ノウハウの連携を強め、テクノロジーの集約などナレッジとケーパビリティを増大させていくとしている。

また、顧客に分かりやすいフロント体制を構築するとともに、デジタルビジネスへの対応力とグローバルなデリバリー能力を強化する。さらに、従来の業種・地域体制の再編など、環境変化に対して柔軟な人材の最適配置を実現。これにより、同社のインテグレーションのコンセプトである「FUJITSU Knowledge Integration」の実行を加速させていくという。