大日本印刷(DNP)は9月29日、再生可能原料を使用した「認証ナイロンフィルム包装材」を開発したと発表した。
同包装材では、再生可能原料が石油由来原料を代替する効果をナイロン樹脂に配分するという、ドイツの総合化学メーカーBASFが開発したマスバランス方式が利用されている。
同方式では、まずナイロン樹脂をバイオナフサやバイオガスなどの再生可能原料で製造すると仮定し、どの程度の再生可能原料が必要になるかという量を算出。BASFの工場で製造する製品の原料として投入する石油由来原料の替わりに、算出した必要量の再生可能原料を投入する。こうして製造された再生可能原料による石油代替効果を、再生可能原料を使用して製造したさまざまな製品からナイロン樹脂に配分する。このナイロン樹脂を用い、興人フィルム&ケミカルズの工場でナイロンフィルムが製造された後、DNPに供給され同包装材へと展開される。
このように、実際にはナイロン樹脂の製造に再生可能原料は含まれていないが、ほかの製品で使用した再生可能原料を厳密に管理し、第三者認証機関が製造や管理システムの監査を行うことで、ナイロンフィルムに再生可能原料による石油代替効果を付与するという仕組みになっている。3社は現在、各製造工程で第三者認証機関であるドイツのテュフズードの認証取得を進めているという。
DNPは、同包装材を日用品メーカーなどに向けて販売し、植物由来原料を一部に使用した「バイオマテック」シリーズを含め2017年度で30億円の売り上げを目指していくとしている。