STマイクロエレクトロニクス(ST)は9月27日、省電力広域ネットワーク無線通信技術であるLoRAに対応したIoT機器の試作を可能とする低価格の開発キット「P-NUCLEO-LRWAN1」を発表した。

長距離通信が可能なLoRaは、従来のセルラー通信方式よりも低消費電力、低コストなどのメリットがある。また、多重通信モード、屋内外での高精度な位置認識、AES-128セキュリティなど、さまざまな機能を搭載している。

今回STが発表した開発キットは、超低消費電力マイコンのSTM32L073を搭載したNucleo(NUCLEO-L073RZ)ボードと、Semtech社のLoRaトランシーバICのSX1272を搭載したRF拡張ボード(I-NUCLEO-SX1272D)で構成される。STM32L073は、電力効率に優れたARM Cortex-M0+プロセッサとST独自の超低消費電力技術を採用しており、公共料金メータ、警報システム、測位機器、追跡装置、リモート・センサなどのホスト・マイコン適している。さらに、モーション・センサと温湿度センサを搭載したX-NUCLEO-IKS01A1など、各種拡張ボードを追加して機能を拡張すること可能だ。

P-NUCLEO-LRWAN1は、LoRaWANバージョン1.0.1に準拠し、クラスA / Cプロトコルに対応する双方向通信機器の開発に必要な要素をすべて含んでいる。これらの双方向通信機器は、Over-The-Air Activation(OTAA)またはActivation-By-Personalization(ABP)で作動させることができる。

価格は40ドルで、STのWebサイトおよび販売代理店より入手可能となっている。