ルネサスエレクトロニクス(ルネサス)は9月26日、ウェアラブル機器や補聴器などの小電力アプリケーション向けに、電力を非接触で送受電するワイヤレス充電システムソリューションを開発したと発表した。

ワイヤレス充電技術は、スマートフォンをはじめとするさまざまなアプリケーションへの適用や産業用途への応用が期待されており、なかでも機器の小型化に加え、高い防水・防塵性、接触不良低減がも求められる小電力アプリケーションで必要とされている。しかし、既存のワイヤレス充電技術は規格に基づいてアンテナサイズが規定されているため小型化が困難、小電力アプリケーションを充電するには充電流が大きく、放熱が難しいといった理由から、小型リチウムイオン2次電池による充電システムには適しておらず、小電力アプリケーションへの搭載が難しかった。

今回の新ソリューションは、システムを構築するために必要な機能をそれぞれ1チップに集積した受電IC「RAA457100」と送電IC「RAA458100」で構成される。受電ICは、ワイヤレスで電力を受電し小型リチウムイオン2次電池を充放電管理するために必要な全ての機能を3.22mm×2.77mmの小型パッケージに集積。また、システム電源に85%の高効率なDC/DCコンバータを内蔵し、小容量バッテリの長時間駆動に貢献する。一方の送電ICは、ワイヤレス送電に必要なブリッジ駆動回路や送電電力制御回路などを集積し、電源電圧を5V単一とすることでモバイルバッテリなどからの電源供給を実現した。受電IC、送電ICともに、ルネサスのマイコンとI2Cインタフェースで接続するこで、各種設定の読み出しやワイヤレス充電制御設定の書き込みなどが可能となる。

ルネサスは、2016年11月より同ソリューションのサンプル出荷を開始するとしている。