fossBytesに9月19日(米国時間)に掲載された記事「Rolling Release Vs. Fixed Release Distros — Which Linux Distributions Are Better?」が、Linuxディストリビューションのアップデートの方式であるローリングリリースとポイントリリース(フィクスドリリース)について、それぞれにどのような利点と欠点があるかを紹介した。
ローリングリリースは短周期でアップデートを実施する方式。明確なメジャーバージョンといった考え方はなく、パッケージもシステムも短周期で細かくアップデートを実施することを基本としている。サポート対象は常に最新版となることが多い。代表的なディストリビューションとして、Arch Linuxがあげられている。この方式は最新のデバイスドライバやセキュリティアップデートの適用が早くなる反面、バグや不具合が修正されずにアップデートされる可能性も含んでいる。
ポイントリリースは従来のLinuxディストリビューションの大半が採用している方式。記事では、Ubuntuが例として上げられている。明確なバージョンを持ち、定期的(数カ月から数年といったスパン)にアップグレードが提供される。リリースへ向けてパッケージの作成やバグフィックスなどが実施され、バージョンごとに特定の期間サポートが提供されることが多い。より安定した状態でリリースされることが多いが、古いドライバのままだったり、セキュリティアップデートの適用が遅かったりといった問題もある。また、複数のバージョンをサポートする必要が出てくるため、ベンダーやプロジェクトの負担が高くなるといった課題も抱えている。
現在、ポイントリリースから徐々にローリングリリースのアプローチへ向かう方向性をとっているディストリビューションが出てきている。程度の差はあるが、ポイントリリースを実施して特定のバージョンを長期にわたってサポートするといったやり方から、常に最新のバージョンのみをサポートとするといったようにローリングリリースのアプローチを取り込んだポイントリリースといったものになりつつある。