DNPデジタルコムは9月21日、岩手県立大学と2015年9月に共同開発したBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを利用して屋内での位置を測定するソフトウェア・ライブラリの機能をバージョンアップし、2016年9月末に発売すると発表した。価格は、アプリストアからアプリを配信する場合のライセンス費は年間50万円、企業内の業務利用などの場合は応相談。

測位情報の処理のクラウド・サーバでの実施

新バージョンでは、デバイスに負荷のかかる位置測定処理をクラウド上で行う仕組みを導入、BLEビーコンの電波を受送信できる程度の簡易なセンサーで位置を測定可能にしたという。 新機能として、測位情報の処理のクラウド・サーバでの実施、測位方法の改良による精度の向上、動線表示やヒートマップの可視化を挙げている。

側位情報の処理は、2015年に発売したライブラリでは、スマートフォンに組み込んだナビゲーション・アプリで複数のBLEビーコンが発するIDや電波強度の情報を受信し、スマートフォン上で測位処理を行っていたという。 新バージョンでは、アプリがビーコンから受信した情報をWi-FiやLTEなどでクラウド・サーバに送信してサーバ側で測位処理を行い、その結果の位置情報をほぼリアルタイムにデバイスに返送することを実現したとのこと。

測位方法の改良による精度の向上

測位方法の改良については、従来から3つ以上のBLEビーコンの電波強度の違いを利用して位置を測定しているが、旧バージョンでは、測定エリアの境界近くなど検出できるビーコンの数が減ることで測位精度が低下する場合があったという。 新バージョンでは、各ビーコンの担当領域を設定し測位対象エリアを定めることで、精度の向上を図ったとしている。

動線表示やヒートマップの可視化

動線表示などに関しては、クラウドでBLEビーコンの利用ログを管理できる機能を追加したとのこと。

人や物の動きを示す動線表示の他、集計した数字の多寡などを色を使って可視化するヒートマップなどにより、直感的に生活者や従業員などの行動や物の動きの分析を可能にしたとしている。 売り場などの空間構成を最適化するゾーニングや工場・倉庫等の動線改善などにも利用できるという。