日立製作所(日立)は9月13日より、マルチスライスCT装置「Supria/Supria Grande」に最新のソフトウェアを搭載した「Supria/Supria Grande V2.21」を販売開始する。

同社はこれまでに、オープン&コンパクトのコンセプトで開発した16列CT装置「Supria」、64列検出器を搭載したCT装置「Supria Grande」を販売してきている。Supria/Supria Grande V2.21は、このオープン&コンパクトのコンセプトはそのままに、操作性の向上と省エネ化を図っている。

経過観察や血管観察の際に有用とされ、2つの画像の差分の比較時に用いるサブトラクション画像は従来、スキャン開始位置の違いにより、1回目と2回目のらせん軌道がずれてしまい差分処理に影響するという課題があったが、今回「軌道同期スキャン機能」を搭載したことで、位置ずれによる誤差が低減し、サブトラクション画像の精度の向上を実現した。

また、人体の水平な横断画像から任意角度の断面画像を作成するMPR処理において、整形外科領域で必要な頚椎や腰椎のMPR表示を簡単に行える「SPINEモード機能」を搭載したほか、「Eco mode」機能により消費電力を最大で55%低減することができる。

そのほか、少ないX線量で検査した場合に発生する画像ノイズを低減する画像再構成機能のアルゴリズムを改良し、画像演算速度を高速化した「Intelli IP RAPID」を搭載したことで、従来のSupria/Supria Grandeと同画質の画像を約1/2の時間で得ることが可能となった。

マルチスライスCT装置「Supria/Supria Grande」