台湾TrendForceのメモリ調査部門であるDRAMeXchangeは9月6日付けで、最近のノートパソコンの需要回復、スマートフォンの堅実な出荷増、サーバ需要の増加により、半導体メモリの需要が増えてきたため、DRAM、NANDともに2016年第4四半期にはかなり値上がりするとの予測を発表した。

とりわけDRAMの大口顧客向け契約価格は第4四半期に前期比10%以上値上がりするという。この傾向は2017年にも引き続く見込みである。背景としては、中国ブランドのスマートフォンの隆盛と中国内のデータセンター需要の拡大によるサーバの出荷数が増加するという予想外の事態があったためで、DRAMメーカーは2016年第2四半期以降、モバイル用およびサーバ用DRAMを増産する一方で、PC向けDRAMの減産を進めている。

DRANeXchangeの調査ディレクターであるAvril Wu氏によると、2016年第4四半期のDRAM出荷数はモバイルDRAMが約45%を、サーバDRAMが25%超を占めるのに対し、PC DRAMは20%未満まで減るだろうという。

一方、第3四半期に北米で、ノートPCの需要が急拡大し、主要ブランドであるHPとDellのノートPCの出荷数は、前期比8%以上増えた。しかし、DRAMメーカーは利益優先の見地から、PC DRAMの生産を犠牲にしてモバイルDRAMの増産を続けている。このため、DRAMeXchangeは、PC DRAM価格も値上がりするとみている。4GB(DDR3とDDR4)の平均契約価格は、さらに前期比15%値上がりとなる15ドルとなるとし、この傾向は2017年へと引き継がれるとの見方を示している。

中国のいくつかのスマートフォンブランドメーカーとDRAMメーカーが協議している第4四半期のDRAM契約料金は、第3四半期のそれに比べて10%以上高い。また、NAND型フラッシュメモリも、スマートフォンベンダの需要が予想以上に強いほか、エンタープライズSSDやノートPC用SSDの需要も急速に増しており、第3四半期から需要が供給を上回っている。DRAMeXchangeのデータによると、主流の128GビットTLC品の価格は6月末から8月後半までの間に10%値上がりしており、第4四半期に向けてさらに値上がりするとしている。