セゾン情報システムズは9月9日、銀行や自動社業界で数多く利用されているファイル転送ミドルウェア「HULFT(ハルフト)」のプロトコルを利用したIoTデータ連携ミドルウェア「HULFT IoT」を、9月16日から販売開始すると発表した。パートナーを通して販売されるほか、OEM提供も検討している。
「HULFT IoT」はデータの送達保証や整合性チェック、データ暗号化など、送達や改ざん保証を行うほか、転送状況の稼働を監視し、何らかの原因で転送が失敗した場合、自動的に再送信を行う。また、標準で圧縮転送機能を備えており、通信コストを抑えることが可能という特徴を持つ。
セゾン情報システムズ 常務取締役 CTO 兼 アプレッソ代表取締役社長 小野和俊氏は、 「HULFTは、安心・安全、高速、自動化の3つを併せもっているのが強み。IoTにおいても、データ欠落が許容されないミッションクリティカル領域が存在する」と、「HULFT IoT」をリリースした背景を説明した。
同社は今回の発表に先立ち今年の5月、日本システムウエア(NSW)とエッジコンピューティング領域で提携し、IoTソリューションを共同研究開発することを発表した。NSWのIoTクラウドプラットフォーム「Toami(トアミ)」と連携することで、GUIベースの操作環境を実現し、利用者がIoTサービスを構築する際、トライ&エラーのアプローチが可能となるツールの開発を目指し、ノンプログラミングで接続できるツールを共同開発し、2016年度中の製品化を目指していた。
また、セゾン情報システムズは今年の4月、「HULFT IoT」の先行検証版の提供を開始。これまで約50社に提供してきた。分野では、製造、流通・小売、エネルギー、輸送・物流、公共、ヘルスケア領域で利用されたという。
同社は、「HULFT IoT」主に製造業をターゲットに販売する予定で、製造装置やFAの装置ログのほか、IoT Gatewayのセンサーデータ収集などの利用を想定している。
「HULFT IoT」は、データを送信する側(製造装置、自動車、カメラ、IoT GateWayなど)で動作させる「HULFT IoT Agent」と、Agent監視とデータ受信を行うサーバ側にインストールする「HULFT IoT Manager」で構成。動作OSはLinuxおよびWindowsだ。Agentのファイルサイズは2-3MBだという。
価格は、「HULFT IoT Manager」ごとの課金で、管理するAgent 100台ごとに月額10万円。こちらは平日9:30-17:00のサポートだが、24時間/365日サポートの場合は20万円となる。
今後は、双方向の通信をサポートするほか、エッジコンピュータの研究にも力を入れていくという。