富士フイルムは9月5日、オーストラリアの再生医療ベンチャー Cynata Therapeutics(Cynata)に300万米ドルを出資することで同社と基本合意したと発表した。
Cynataは、米国ウィスコンシン大学より、分化誘導技術のライセンスを受けた会社で、すでにiPS細胞由来間葉系幹細胞を効率的に大量生産できる技術を確立している。また、英国MHRA(Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency)より前臨床試験の結果が良好であると認められ、現在、GvHDの患者を対象とした他家iPS細胞由来間葉系幹細胞を用いた再生医療製品の臨床試験の準備を進めている。
富士フイルムは今後、契約の締結を経て、Cynataの第三者割当増資を引き受け、同社が発行する全株式の10%強を保有する見込み。これにより、同臨床試験をふまえた再生医療製品の開発・製造・販売ライセンス導入と製造受託の選択権を取得する。また、Cynataが持つ、他家iPS細胞由来間葉系幹細胞を用いた再生医療製品開発に関する技術・ノウハウも取得可能となる。