昭和電工は8月31日、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)用の分離・分析カラム「Shodex」において、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)用充てんカラム「GPC HK」「PROTEIN LW」、親水性相互作用クロマトグラフィ(HILIC)用充てんカラム「HILICpak VC-50」「HILICpak VN-50」の計4製品の販売を9月より開始すると発表した。

GPC HKシリーズでは、充てん剤の粒径を小さく均一に制御したことで、同範囲の分子量分析ができる既存カラムに比べ分析時間を1/6に短縮し、有機溶媒の使用量も1/6に削減。また、溶媒置換性が高いため、溶媒ごとに専用カラムを使い分ける必要がなく、充てん剤粒径の均一化により高流速下でも圧力を低く抑えられるため、超高速液体クロマトグラフィ(UHPLC)用の分析装置も不要となる。

既存カラム(KF-804L)との分析速度の比較

PROTEIN LWは、シリカ系充てん剤を用いたタンパク質・酵素分析用のカラム「PROTEIN」シリーズの抗体医薬品分析用のシリーズとなる。インシュリン分析などに用いられる既存カラムを改良したもので、独自の充てん剤の表面修飾技術により、単量体と二量体の分離度を向上させた。

HILICpak VC-50は、充てん剤にカルボキシル基を導入し、アミン系神経伝達物質やコリン・アセチルコリン、アミノ酸などのカチオン性官能基を有する試料の高感度分析が可能となる。微量の試料から複数の脳内物質を同時に分析できるため、神経疾患など、脳科学分野における研究に適しているという。一方、HILICpak VN-50は、オリゴ糖の高感度分析に適したHILIC用カラムで、従来のSECモードでは困難だったLC/MS分析が可能となった。