テクトロニクスは8月30日、半導体デバイス、センサー、材料、パッシブ/アクティブ部品などの電気特性評価を行うケースレーブランドのパラメータ・アナライザ「ケースレー4200A-SCS(4200A-SCS)」および、4チャンネルIV/CVスイッチ・モジュール「ケースレー4200A-CVIV(4200A-CVIV)」を発表した。

4200A-SCS(左)と4200A-CVIV (写真: テクトロニクス)

4200A-SCSは新ユーザーインターフェース「Clarius」を採用している点が大きな特徴。これまでのユーザーインターフェースはエキスパート向けで、トレーニングを受けていないユーザーの場合、使用するのに手間取ってしまっていた。Clariusでは、計測スタートまでのフローをSelect(選択)、Configure(設定)、Analyze(解析)の3ステップに整理し、各ステップを踏んでいくことで必要なテストが実施できる仕組みとなっている。

Clariusは初心者ユーザーの習得時間を大幅に短縮する (資料:テクトロニクス)

Select画面ではライブラリに収録されている450以上のテスト、プロジェクト、デバイスから必要なものをピックアップし、テストを構築していく。この時、ドラッグアンドドロップでテストプランを構築できるほか、フィルタを使用してライブラリを絞り込むことができるなど、特別な操作をすることなく、迅速にテストを構築することが可能だ。

Select画面。ECサイトのようにフィルタでライブラリを検索できる。選択したテストの概要・関連ビデオのリンクも表示 (資料:テクトロニクス)

Configure画面では、各端子の設定パラメータをひと目で確認できるほか、経験の浅いユーザーに向けては主要パラメータのみを表示し、エキスパートに向けては全パラメータを表示するなど、習熟度に応じて表示を切り替えることができる。

Analyze画面では、全てのテスト履歴を保存するため、誤ってデータを上書きしてしまうリスクを最小限に抑制。さらに各履歴の測定結果をレーティングして、テストの質も評価することができる。

Configure画面。従来のUIに比べて階層が少ない (資料:テクトロニクス)

Analyze画面。データは日付、時間、レーティング、名前でフィルタリング可能 (資料:テクトロニクス)

このほか、測定ガイダンスやトラブルシューティング時に役立つサポート用動画を内蔵していたり、タッチ操作が可能な15.6型LCDワイドスクリーンの採用など使いやすさに重点をおいた製品となっている。テクトロニクスによれば、テスト・セットアップに要する時間は従来製品比で最大50%低減されるという。

また、4200A-SCSは4200A-CVIVと組み合わせて使うことで、さらに利便性が向上する。SMU(I-V)と容量-電圧(C-V)を自動で切り替えることが可能になるため、ケーブルやテスト設定をそのまま使用できるほか、プローブの移動が不要になる。また、全ての経路における補正値を保存するため、キャリブレーションの回数を抑えることができる。

4200A-CVIVの概要 (資料:テクトロニクス)

価格は4200A-SCSが364万円~、4200A-CVIVが71万6000円となっている(いずれも税別)。