デロイト トーマツ リスクサービスは8月29日、2016年6月~7月に経営企画/総務/法務/内部監査/国際管理の担当者および内部通報サービスに関心のある企業の担当者を対象に行った「内部通報制度の整備状況に関するアンケート調査」の結果を公表した。230社から有効回答を得たという。
調査の結果、「内部通報窓口がある」は94%(217社)に上り、「その他」が8社、「通報窓口はない」は5社と、外部に通報窓口を設置する企業も67%(155社)に達していることがわかった。
また、アンケートに回答した企業で海外進出をしていると推定される企業(海外進出推定企業)127社のうち、海外からの通報を受け付ける窓口を有しているのは50%だった。
直近1年間の国内の通報受信件数は、窓口はないもしくは実績値を把握していないと回答した企業24社を除き、10件未満の企業が72%(149社)で最多となり、海外進出推定企業においても、窓口はないもしくは実績値を把握していないと回答した企業56社を除き、海外通報の受信件数が「10件未満」が80%(60社)と国内と同様の状況だった。
受信した通報のエスカレーションを判断する機関は、「通報を受信する部署」が64%(143社)と最多であった。
また、重篤な通報の対応を意思決定する機関の多くは「社内の取締役および役員等で構成され委員会組織」であり、社外取締役・社外監査役が重篤な内部通報対応の意思決定機関に含まれる企業は27%にとどまった。
さらに、外部受付窓口のある企業について窓口が顧問弁護士か否かで集計したところ、延べ60%(95社)の企業が外部受付窓口を顧問弁護士に依頼していることがわかった
そのほか、海外進出推定企業のうち「内部通報制度はない」と回答した企業1社を除外し、内部通報制度の定義について集計した結果、グローバル統一で規程や体制を定義する企業は20%にとどまった。