米ガートナーはこのほど、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を発表し、急速に進むデジタル・ビジネスのイノベーションに直面している企業の最優先項目になると考えられる、3つのテクノロジーのトレンドを明らかにした。
同社のハイプ・サイクルは、2000を超えるテクノロジーを11の分野にグループ化し、市場のハイプ(市場での経験や実証基盤のない過度な喧伝)、成熟度、ビジネス・メリット、今後の方向性に関する分析情報を、企業の戦略/プランニング担当者に提供するもの。今後5~10年の間、高度な競争優位性をもたらすであろう一連のテクノロジーに焦点が当てられている。
3つの主要なテクノロジーのトレンドとしては、「透過的なイマーシブ・エクスペリエンス (没入型の体験)」「知覚的なスマート・マシンの時代」「プラットフォームの変革」が挙げられている。
透過的なイマーシブ・エクスペリエンスに注力したい企業が検討すべきテクノロジーには、4Dプリンティング、ブレイン・コンピュータ・インタフェース、ヒューマン・オーグメンテーション、立体ホログラフィック・ディスプレイ、アフェクティブ・コンピューティング、コネクテッド・ホーム、ナノチューブ・エレクトロニクス、拡張現実、仮想現実、ジェスチャ・コントロール・デバイスがあるという。
知覚的なスマート・マシンの時代の背景には、急成長するコンピューティング・パワー、ほぼ無限のデータ量、深層ニューラル・ネットワークの進歩があり、特に深層ニューラル・ネットワークは、スマート・マシンのテクノロジーと併用することで、企業がデータを活用して新たな状況に適応し、さまざまな未知の問題を解決することを可能にするという。
このテーマに注力したい企業が検討すべきテクノロジーとしては、スマート・ダスト、機械学習、仮想パーソナル・アシスタント、コグニティブ・エキスパート・アドバイザ、スマート・データ・ディスカバリ、スマート・ワークスペース、会話型ユーザー・インタフェース、スマート・ロボット、商用無人航空機 (ドローン)、自律走行車、自然言語による質疑応答システム、パーソナル・アナリティクス、エンタプライズ・タクソノミ/オントロジ管理、データ・ブローカPaaS (dbrPaaS)、コンテキスト・ブローカリングが挙げられている。
3つ目のトレンドである「プラットフォームの変革」としては、技術インフラから、エコシステムを実現するプラットフォームへのシフトによって、人と技術をつなぐまったく新しいビジネスモデルの基盤が構築されつつあるという。。こうした動的なエコシステムの中で、企業は、自社の戦略を事前対応的に把握して再定義し、プラットフォーム・ベースのビジネスモデルの作成や、価値創出のための内部と外部のアルゴリズムの活用を目指さなければならないと同社は指摘している。
企業が注視すべき、プラットフォームを実現する主要なテクノロジーとしては、ニューロモーフィック・ハードウェア、量子コンピューティング、ブロックチェーン、IoTプラットフォーム、ソフトウェア・デファインド・セキュリティ、ソフトウェアで定義された何か(SDx)が挙げられている。