ルネサス エレクトロニクスは8月10日、2016年12月期第1四半期の決算概要を発表した。なお同社は、2016年より決算期を変更しており、今期の決算については四半期の表記にずれが生じている。

売上高は前年同期比15.2%減、前四半期比で9.4%減ながら事前の業績予想比では4.8%増となる1520億円。営業利益は前年同期比で138億円減、前四半期比で28億円増、そして事前予測からは86億円像の186億円となり、営業利益率も事前予測比で5.3ポイント増となる12.2%となった。事前予測よりも大きく増加した背景として、同社は、半導体の売り上げが計画と比べて生産数が増加したこと、ならびにこうした売上増に加えて、費用の抑制効果などにより、営業利益や経常利益が増加したと説明している。

ルネサスの2016年12月期第1四半期決算概要

また第2四半期の業績については、半導体売上高は2016年4月に発生した熊本地震による影響は収まりつつあるものの、円高の影響を受けることなどから、前四半期比で1.7%減の1450億円。売り上げ総利益率も円高の影響のほか、季節要因による製造固定費などの増加に伴い、前四半期比3.9ポイント減となる38.9%、営業利益率も売上総利益の減少や季節要因によるR&DおよびSG&Aの増加により、同7.2ポイント減の5.0%となることが見込まれると予測している。

2016年12月期第2四半期の業績予測

なお、同社は2015年7月に後工程を担当しているルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ(RSPT)の熊本県錦工場について、1年後をめどに譲渡または集約の方向性を検討するとしていたが、その後、自動車用となどの高品質製品の需要が増加したことなどから、後工程全体の拠点運営の再検討を実施したところ、譲渡/集約の検討を中止し、当面の間、継続活用させることを決めたとしている。また、中期的には、外部委託先を含めた後工程全体の運営を検討していく中で、改めて方向性の検討を進めていくとしている。

後工程を担当しているRSPT錦工場の譲渡/集約を一時見直し、当面の間、継続活用をさせることを決定した