日立製作所(日立)と三菱重工業(三菱重工)は8月4日、X線治療装置事業について事業譲渡契約を締結し、三菱重工のX線治療装置事業を日立に譲渡することで合意したと発表した。
日立は、ヘルスケア分野を社会イノベーション事業における注力4事業分野のひとつと位置づけており、超音波診断装置やMRIシステム、粒子線がん治療システムなどの診断・臨床分野から、ITを活用したサービス、地域包括ケアなどのインフォマティクス分野までのソリューションを提供している。
一方、三菱重工は事業の選択と集中を進めており、医療機器を手掛けている機械・設備システムドメインでは、中小規模の再編による収益力強化とリソース投入分野の絞り込みに注力している。
今回の合意により日立は、関連薬事承継手続きを経て、国産X線治療装置として2008年に市場投入された三菱重工の放射線治療装置「Vero4DRT」の保守サービスサポートを2017年4月以降に開始する予定。これにより、X線治療システムの顧客基盤を拡大し、技術を取得することで、従来から展開している粒子線治療システム事業とあわせ、放射線治療システム事業を強化・拡大していきたい考えだ。