長崎大学と東芝メディカルシステムズ(東芝メディカル)は8月3日、熱帯感染症や新興・再興感染症などの制圧に向けた早期診断へ利用できる新たな遺伝子検査システム開発についての共同研究契約を締結するとともに、長崎大学熱帯医学研究所内に「東芝メディカルMSラボ(Molecular Solution Laboratory)」を設置し、共同研究を開始すると発表した。

熱帯感染症や新興・再興感染症などの診断において、遺伝子検査では、「抽出」「増幅」「検出」という3つのステップが必要となるが、現在使用されている検査システムは、後半の「増幅」「検出」だけを自動化・迅速化したものが主流であり、前処理となる「抽出」では複雑な手順を手作業で行っている。このため余分な時間がかかり、迅速検査の優位性を十分に生かせていないうえ、非熟練検査者への二次感染が懸念されている。

そこで共同研究では、自動抽出システムを開発することでこの課題を解決し、迅速かつ簡単で安全な遺伝子検査システムの早期実用化を目指していく。共同研究期間は、2016年8月から2年間を予定している。