キーサイト・テクノロジー(キーサイト)は8月4日、高速、高精度かつ、再現性が高い低周波ノイズ測定が可能な1/fノイズ・RTN測定システム「Advanced Low-Frequency Noise Analyzer(A-LFNA)」を発表した。

1/fノイズ・RTN測定システム「Advanced Low-Frequency Noise Analyzer」

最新の半導体デバイスの特性評価では、柔軟性と拡張性に優れたノイズ測定システムが必要とされており、特に、全てのウエハーレベルの特性評価を単一のプラットフォームで管理し、高性能な低周波デバイスのノイズ測定/解析機能を備えるシステムが求められている。

A-LFNAは、WaferPro Expressソフトウェアとのシームレスな統合により、コンポーネント、ディスクリートデバイス、集積回路でのノイズ測定が、パッケージレベルとウエハーレベルのどちらにおいても容易になる。これまでと同様、WaferPro Expressを使用して、ウエハープローバー制御を自動化しながら、高速DC、キャパシタンス、RF Sパラメータの測定のプログラムとシーケンス設定をすべて実行することができるほか、テスト項目にノイズの測定/解析機能を追加できるようになった。

また、測定ルーチンが内蔵されており、DC測定とノイズ測定がターンキー操作で実施可能。例えば、N型のMOSFETのノイズを測定する場合、デバイスノイズを適切に測定できるように、システムが自動的に最適なソースインピーダンスと負荷インピーダンスを選択する。測定を開始する際は、エンジニアはシステム推奨設定のまま測定を実施するか自分で最適な設定に変更するか選択可能。次にA-LFNAはノイズのパワースペクトル密度(1/f ノイズ)と、タイムドメイン内のノイズ(RTN)を測定し、測定データはマルチプロット・データ・ディスプレイ・ウィンドウにプロットされる。さまざまなウィンドウタブを使用することで、デバイスのDC動作ポイントの評価およびパワースペクトル密度曲線のスロープの測定のような共通の作業を簡単に行うことができる。また、キーサイトのMBPやIC-CAPなどのデバイスモデリングツールを使用して、デバイスモデル内でノイズデータを解析して表示することも可能だ。

A-LFNAには、高いノイズ感度(-183 dBV2/Hz)が備わっているため、デバイスモデリングおよび回路評価の際に、200Vまでの高電圧や、0.03Hzまでの超低周波数まで、迅速かつ正確にデバイスを特性評価を実施できる。キーサイトは、これらの機能を備えたA-LFNAについて「半導体ファウンドリによるプロセスデザインキット開発やデバイス製造中の統計プロセス制御に最適です。オペアンプやリニア電圧レギュレーター等の集積回路メーカーは、A-LFNA をデータシートに記載する出力電圧ノイズ仕様の測定に使用することもできます。」とコメントしている。