CerevoとNTTドコモ(ドコモ)は8月2日、ドコモが開発した「ポータブルSIM」技術を含む「PSIM Suite」のライセンス契約を締結し、SIMを自由に切り替えて通信が可能なデバイス「SIM CHANGER デルタ」を発表した。

本体サイズは50.8(縦)×80(横)×45.8(高さ)mm

「PSIM Suite」は、端末側でSIMカードの抜き差しをすることなく電話番号の切り替えが可能な「ポータブルSIM」の技術と、端末側に挿入することで「ポータブルSIM」との接続を可能とするSIMカード型Bluetoothデバイス「psim proxy」をパッケージ化したもの。同技術をドコモがCerevoへ提供したことで「SIM CHANGER デルタ」は実現した。

「SIM CHANGERデルタ」は、最大4枚のSIMカード(ナノSIM×2枚、マイクロSIM×2枚)を装着でき、スマートフォンに「psim proxy(=ブリッジカード)」を挿入することでスマートフォンアプリでSIM情報を国や目的に応じて自由に切り替えて使用することが可能となる。同製品を利用すると、例えば、各国ごとのSIMカードを同製品に装着しておくことで、海外渡航の際に、いちいちSIMカードを挿し替えなくても訪問した国の事業者のSIMカードにアプリ操作で簡単に切り替えることが可能となる。本体はバッテリで稼働し、1回の充電でおよそ1カ月使用することができる。なお、iOS・Androidはそれぞれ別のブリッジカードを用いる。

製品の利用イメージ。1台のスマホで複数のSIMカードを使用する(左)ほかに、1枚のSIMカードを複数台で使用することもできる

こちらが「psim proxy(=ブリッジカード)」

都内で行われた製品発表会に登壇したCerevoの岩佐琢磨 代表取締役は「SIMカードは使い分ける時代になるだろうと思っている。そうした時代にドコモの技術を使って、我々のようなやんちゃな会社が作っていけるものは何かと考えた」と、「SIM CHANGER デルタ」の開発背景を説明した。

同製品は製品化に向けて同日よりMakuakeに向けてクラウドファンディングを開始。プランは1万800円~で、限定200台を用意している。一般販売価格は15000円前後となる見込みで、2017年3月の発売を予定している。

Cerevoの岩佐琢磨 代表取締役(左)とNTTドコモ 移動機開発部の徳弘徳人 部長