金属3Dプリンタ製造受託サービスを手掛けるJ・3Dは8月1日、患者個々の骨格構造および症状などに合わせた「カスタムメイド人工関節」の共同開発を名古屋市立大学と開始したと発表した。
従来の人工関節は輸入依存度が高く、外国製が90%を占めている。また、すべて既成品であり、その形状に合うように患者の骨を削って調整することで治療が行われてきた。今回の開発では、従来の設計では別々の部品で製造されていたものが、金属3Dプリンタを用いることでCTなどの画像から患者の骨形状データの抽出、三次元化および製品製造までの一体型製作が可能となった。そのため、患者個々に合わせたデザイン設計が可能となり、手術時間の短縮、患者への身体的負担の軽減につながる。
J・3Dは「今後、日本は超高齢化の影響で、人工股関節手術はますます増加し続けることが予想されます。さらに、今回のケースは中小企業による医療機器分野への参入モデルとしてカスタムメイド化を期待する脊椎、膝関節、肩関節、人工骨等整形外科領域の幅広い分野で応用でき、将来的な期待が見込めます。」とコメントしている。