エーザイとMAMORIO社は、認知症の方のお出かけ支援ツール「Me-MAMORIO」(みまもりお)の開発で提携することを発表した。
「MAMORIO」のIoTデバイス(MAMORIO公式Webサイトより) |
MAMORIO社は、"なくすを、なくす。みんなで、さがす。"をモットーに、Bluetoothを使った35.5mm×19.9mmの小さなIoTデバイス「MAMORIO」を用いて、落とし物を世界から無くすプロジェクトを発信している。小さなタグは、財布や自転車、ペットの首輪にも簡単に取り付けられる。スマートフォンとペアリングすることで、手元から離れると、スマートフォンに通知され紛失場所も地図で表示されるので、"どこでなくしたかわからない"と嘆くことも無くなる。
クラウドとも連携しBluetoothの軽い小さなタグが落とし物を捜しだす(MAMORIO公式Webサイトより) |
また、ユーザー同士で協力し、ペアリングされたMAMORIOとすれ違ったユーザーがこれを発見できるクラウドトラッキング機能も搭載しており、同社のWebにはリアルタイムで過去24時間でユーザーとすれちがったMAMORIOの数を表示している。ユーザーが増えれば増えるほど、大きな効果が期待できる。
1日、エーザイとMAMORIOは、認知症の方を対象にお出かけ支援ツール「Me-MAMORIO」の開発提携に関する契約を締結したことを発表した。「Me-MAMORIO」では、認知症の方とアプリがインストールされたスマートフォンを持つ地域住民の方が近づくと自動的に位置情報をサーバーに送信、家族や介護関係者に自動通知される。スマートフォンアプリ保持者側には、知らせずに対応できるので、地域ぐるみでのサポートが可能になる。
認知症が原因であった行方不明者が1万人を超え、2025年までには約700万人までの増加が予想されるなど、家族だけでなく地域や社会でのサポートが求められている。エーザイは、アルツハイマー型認知症やレビー小型認知症治療薬の開発・販売から得た経験を生かし、全国約65カ所の市町村、医師会と連携するなど認知症になっても安心して暮らせる"まちづくり"に取り組んでおり、今回の提携により両社の経験やノウハウが大きく対策に貢献できる可能性がある。"認知症の方が自分らしさを保ちながら、住み慣れたまちを自由かつ、安心・安全に外出できる環境が整備される社会の実現と、地域全体でご本人を見守る環境の整備を目指し、「Me-MAMORIO」の実証実験と開発を進めてまいります。"と両社は新たなサービス開発への意気込みを述べている。