SAPジャパンは7月27日、白山工業と協力して、スマートフォンアプリを使った簡易な震度計をビルや住宅などの建物に設置し、日常的に起きている軽微な地震の揺れのデータを収集・解析することで、大地震の際の建物の揺れ方を把握・予測するシステム「my震度」を開発し、無償で提供することを発表した。
「my震度」は、専用アプリをインストールした端末を建物の壁に固定して「スマホ震度計」として活用する。軽微な地震が発生すると、その際の震度などのデータをネットワーク経由でサーバに収集・蓄積し、地図上にマッピングして一覧表示される。
「my震度サーバー」は、クラウド上の超高速インメモリプラットフォーム「SAP HANA Cloud Platform」上に構築され、蓄積されたデータはインメモリ技術を利用して高速かつリアルタイムに分析・処理することができる。
同システムの活用により、スマホ地震計を設置した建物の住人(個人や管理組合)やオフィスビル・工場・店舗の所有者は、軽微な地震の際の揺れ方や、近隣の建物との揺れの違いを見ることができ、そこから大地震の際の揺れの予測や備えが可能になるという。
また、自宅だけでなく、遠隔の家屋の揺れを見ることもできるほか、地方自治体や消防・警察、研究機関・大学は、より粒度の細かい揺れのデータをもとに、より詳細な学術研究や防災計画・都市行政を立案することができるとしている。