Wi-Fi Allianceは7月27日、都内で会見を開き、Wi-Fi技術に関する最新動向として、6月29日より提供を開始した「Wi-Fi CERTIFIED ac」の新機能「Wave2」に関する説明などを行った。
Wi-Fi Allianceのマーケティング担当バイスプレジデントであるKevin Robinson(ケビン・ロビンソン)氏は、「現状、Wi-Fi CERTIFIED製品は3万品種を超え、電話やゲーム、PC以外にもトラクターや家電など、対象の拡大を続けている。また、最新の認定プログラムである「Wi-Fi CERTIFIED ac Wave2」機能の提供を開始したことで、さらなる高性能化を果たした」とし、現在も20以上の開発プロジェクトを進めており、今後も高性能化は止まらないことを強調した。
こうした高性能化の背景には2つのトレンドがある。1つは接続するデバイスの数の増加。そしてもう1つはリッチコンテンツを楽しむユーザー数の増加である。「米国の一般家庭で使用されているコネクテッドデバイスは平均7.8台と推定されており、そうしたコネクテッドデバイスをテレビに接続している世帯は約5000万世帯にのぼり、4Kといったストリーミングコンテンツを楽しむようになっている」とのことで、2016年には1日あたり550万台の新たな機器がWi-Fiを経由してネットワークに接続され、2020年までに世界中で300億台以上の機器がネットワークに接続されるようになるだろうという。
そうしたWi-Fiの活用だが、Wi-Fi CERTIFIED acの対応機器の増加により、一気に5GHz帯への移行が進んでおり、今後5年以内にデバイスのほぼ100%がデュアルバンド対応になる見込みだとする。また、802.11ac Wave2により、ネットワークのマルチタスクを可能とする「Multi User MIMO(MU-MIMO)」によるネットワーク全体の効率性とスループットの向上やチャネル幅の160MHzへの向上による通信速度の向上、4つの空間ストリームのサポート、チャネルの追加による利用可能な周波数帯の効率的な活用などができるようになり、Wi-Fiネットワークのリソースをユーザー、企業、サービスプロバイダのいずれもが最大化できるようになるとする。
なお、従来の2.4GHz帯、5GHz帯に加え、60GHz帯を活用する802.11adを加えたトライバンドへの対応も現在進められており、「そうした時代を迎えるにあたって、Wi-Fi CERTIFIED acは重要なポジションを持つことになる」としており、すでに複数のWave2機能をサポートしたチップがBroadcom、Marvell、MediaTek、Qualcommなどから提供されており、今後も対応チップの数は拡大していく見込みであるとした。