日本NCRは7月7日、同社の事業戦略を説明するプレスラウンドテーブルを都内のホテルで開催した。

米NCR ソフトウェアソリューション シニア・バイスプレジデント エリー・ロスナー氏

米NCR ソフトウェアソリューション シニア・バイスプレジデント エリー・ロスナー氏は冒頭、「市場はインターネット経済の影響を大きく受けて変化し、商品、サービス、金融、データがグローバル化し、企業に新たな可能性をもたらしている。Facebookは3割が米国以外の人間で、スタートアップ企業の86%がグローバル市場でビジネスを目指している」と、市場がグローバル化している変化を指摘。

自社の売上げ比率については、「ハードウェア、サービス、ソフトウェアのバランスがいい。私がNCRに入った5年半前はソフトウェアの比率は10%程度たったが、最近急速に伸びている。ソフトウェアの売上げは今後も伸びていくだろう。NCRの2015年度の売上げは342億ドルだが、これを5年後の2020年には530億ドルまで伸ばしていく」と、ソフトウェアの成長をベースに売上げを伸ばす考えを示した。

ソリューション別売上げ

2020年う向けた成長目標

成長に向けて同氏が挙げた注力分野は、「モバイルデバイス」、「クラウド」、「ビッグデータ」、「IoT」の4つで、これらに積極的にR&D投資を行っていくとした。また、今後5年間はオムニチャネルのプラットフォームに力をいれていくという。

オムニチャネルにおける同社の役割は、ユーザーがさまざまなデバイスを活用して行動することによって発生した統合されたデータに対して、オープンAPIを通してアクセスできるようにすることだという。

4つの重点投資分野

また、社内組織も、日々取り扱っている6億を超えるトランザクションデータをすべての業種に水平展開できるように、分散された組織を、集中・中央化した組織に変更していくとした。

日本NCR 代表取締役社長 内藤眞氏

NCRが考えるオムニチャネルについて、日本NCR 代表取締役社長 内藤眞氏は、「NCRはハードウェアの会社からソフトウェアやサービスなどソリューションを提供する会社に大きく変わろうとしている。ビッグデータというバズワードがあるが、これをもっと有効利用していかなくてはならない。顧客情報やPOS端末などの購買データと、コールセンターやSNSといったリアルタイム嗜好データを合わせることによって、顧客にニーズ合わせたマーケティングができる」と説明。

NCRが考えるオムニチャネル

その上で同氏は、2016年の国内のキーソリューションとして、「リテールソフトウェア、モバイルPOS」、人手不足を解消する「セルフレジ」、顧客の嗜好に合わせたタブレットを使用した「接客支援ソリューション」、人工知能を活用したクレジットカード決済向けの「不正検知ソリューション」の4つを挙げた。

2016年のキーソリューション

同氏はリテールソフトウェアについて、「NCRはPOSはハードとソフトの分離を進めている。これらを分離することによって、店舗のPOS、バックオフィス、オンラインを統合でき、オムニチャネルが実現できる」と述べた。