アキレス、ツクイ、加藤電機の3社は7月6日、自宅や介護施設から突然いなくなってしまう認知症患者の徘徊を早期に検出・発見できるシステムの実運用試験を開始すると発表した。

認知症患者が徘徊で行方不明になった際、発見の遅れで生存率が低下する傾向があり、徘徊高齢者の見守り対策が望まれている。現在、高齢者の見守り対策は見守りネットワークによる声掛けおよびメールによる情報配信などが主体となっており、捜索発見を目的とした取り組みは少なく、ネームタグなどでは発見時の身元確認はできても徘徊発生時の発見にはつながりにくいという課題があった。

これに対し、今回のシステムではアキレスが開発した徘徊対策用の介護シューズに加藤電機が開発した小型発信機(SANタグ)を装着。ツクイのデイサービス内に加藤電機が開発したGEOフェンス型中継機SANアンテナを設置する。このGEOフェンス型SANアンテナはSANタグの電波を常に検出しており、見守り対象者が見守りエリアの外に出た場合に短時間で施設から離れたことを検知し、介護職員や家族らにメール配信をすることで、行方不明者の捜索・発見を容易にする。見守りエリアは半径約10m~約200mまで設定が可能とのこと。

運用試験は7月15日から2カ月間、ツクイのデイサービス全国10拠点で実施し、9月以降に順次拡大する。また、同運用試験の結果をベースに、徘徊の発生を早期に検出し、短時間で捜索・発見できるサービスとして2016年秋に各社より販売を開始する予定だ。

システムのイメージ図