日立製作所とJPメディアダイレクトの2社は7月5日、ミャンマー連邦共和国(ミャンマー)のミャンマー郵便(Myanmar Post)が運営する送金サービス業務を電子化するための支援を日本郵便の全面協力のもと共同で開始すると発表した。

ミャンマーでは、銀行口座を保有していない国民が多く、給与や公共料金など日常的な支払いの決済手段として、郵便局にて現金の授受を行う送金サービスが広く普及している。しかし、従来の送金サービスは領収証や引渡書といった帳票の作成・発行など、郵便局員が行う業務の大部分が手作業で行われていたため、ITシステムによる業務の効率向上が求められていた。

こうした中、2015年5月に日本の総務省とミャンマーの通信・情報技術省(現 運輸・通信省)の間で「郵便分野における協力に関する覚書」を締結し、一環としてミャンマーにおける効率的で確実な送金手段を検討していた。

今回、日立とJPメディアダイレクトは、2015年にミャンマー郵便が郵便局18局を対象に送金サービスの電子化システムを試験導入した際の支援実績と、システムの試験運用結果を踏まえ、システムの改修および利用対象となる郵便局数の拡大を支援する。

同システムでは、現金の引渡書などの帳票をシステム上で作成・発行するほか、利用者が記入した送金申請書の記載内容もシステムに入力することで、取引実績の集計作業を自動化。また、各郵便局のシステムをネットワークで接続し、コンピュータ経由で帳票の送受信を行う。

これらにより、郵便局員の手作業による業務量の削減や取引実績の記録の支援を行うことで、効率的かつ正確な送金サービスの実現を目指す。なお、同システムの導入時期は2016年後半を予定しており、導入後はミャンマー郵便が運用する。