オージス総研は6月29日、エンタープライズサービスバス「Mule ESB Enterprise Edition(Mule ESB)」を活用して、四国電力のグループ間システム連携基盤を構築したと発表した。
四国電力は、以前からEAI製品を採用し、ERPや各部門の業務システムなどさまざまなシステム間で、人事情報や経理情報などの業務データを連携するシステム連携基盤を構築、運用していた。今回、システムの安定性向上と維持管理コスト低減を目的に、システム再構築を実施し、およそ50システム、1500インタフェースの連携を新基盤へ移行した。
今回の再構築にあたって、Mule ESBは、高いカスタマイズ性によりパフォーマンスを考慮した構成、汎用機・ERPなどに対応した多彩なコネクタを用いて現行の周辺システムを変更することなく移行できること、連携管理機能により全連携を停止することなく一部の連携の変更が可能なことなどが評価され、システム連携基盤の中核に選ばれた。数百MBの巨大なファイルを限られたシステムリソースでデータ変換処理することが可能であることも採用の理由の1つとなったという。
導入効果としては、Mule ESBにメッセージキューおよび一時ディスクを組み合わせることで実現された「大量データの処理への対応」、連携内部処理の各状態を記憶して再実行できる仕組みの実装により実現する「障害発生時における迅速な復旧」、Mule ESBの連携管理機能と変更しやすい連携パラメータの設計により実現する「無停止でのメンテナンス」があるという。