富士通研究所は6月29日、温度や湿度などデータセンターの空調設備の省エネ運用を可能にする予測技術を開発したことを発表した。

モデルベース空調制御システム

今回、機械の稼働率や風量など空調機設備の状態を新たに組み込んだデータベースを作成し、予測対象に対し有用な情報を計測データからだけでなく、空調機設備状態からも最低1つ以上自動で選択するという条件を設定。

選択した変数を使い、予測精度の高い予測モデルを作成することで予測精度の向上に成功したという。これにより、データセンターの頻繁な状態変化に対応が可能な逐次モデルを構築する予測技術を実現している。

同社では、開発した技術について100ラック規模の実データを利用したシミュレーションを行い、頻繁な状態変化においてもサーバ給気の予測温度を最大±2.1℃、平均±0.17℃の精度で予測できることを確認した。

開発技術の概要

その結果をもとに年間のサーバ電力量7000万kWh、空調電力量2200万kWである1000ラック規模のデータセンターの条件で試算すると、約20%にあたる450万kWhの省電力化が見込まれる。これにより、今後電力使用量の増大が見込まれるデータセンターの省電力化を実現し、地球環境の温暖化防止に貢献できるとしている。