米Facebookは6月29日(現地時間)、ニュースフィードにおいて、友達や家族が投稿したコンテンツが優先的に表示されるようにランキングを変更すると発表した。パブリッシャに対して「アップデートにより、ページによってはリーチや参照トラフィックが減る可能性がある」としている。

Facebookは友達や家族のつながりを基盤としており、またユーザーにとって価値のある情報とユーザーを結ぶネットワークでもある。今回のアップデートは「友達と家族を優先」「アイディアのためのプラットフォーム」といった「News Feed Values」に基づいた表示アルゴリズムの調整だ。

同社はすでに、昨年4月に友達からの投稿 (写真、動画、ステータスアップデート、リンクなど)を優先的に表示するアップデートを実施している。それは友達や家族からの投稿を見逃したくないというユーザーからのフィードバックに対応した変更だったが、調整が十分ではないというユーザーの声が根強く、友達や家族からの投稿をさらに優先する変更に踏み切った。今後数週間をかけてアップデートのロールアウトを実施する。

ユーザーがより長い時間をFacebookで過ごすようになれば、Facebookを通じてコンテンツを提供するパブリッシャがユーザーにリーチできる可能性は高まる。しかしながら、今回のアップデートによって、パブリッシャが投稿したコンテンツがユーザーのニュースフィードで目立たなくなる可能性もある。この点についてFacebookのLars Backstrom氏(エンジニアリングディレクター)は「オーディエンスの構成で異なる」としている。たとえば、人々がリンクしたり、コメントを付けてコンテンツを共有している結果の参照トラフィックならアップデートから受ける影響は少ない。パブリッシャに対して「オーディエンスが友達と共有したくなる投稿」を心掛けるように呼びかけている。

今回のアップデートについてNew York Timesは、「Facebook to Change News Feed to Focus on Friends and Family」という記事の中で、Facebookのアルゴリズム変更がニュース市場のエコシステムを変化させる可能性に言及している。Pew Researchの「News Use Across Social Media Platforms 2016」によると、米国の成人の44%がFacebookでニュースを読んでいる。Parse.lyのオーソリティレポートによると、ニュースサイトへの参照トラフィックの41.4%がFacebookからだった(2016年1月~2月)。そうした状況から、ニュース配信におけるFacebookの影響力は読者とニュースを結ぶ体験だけではなく、パブリッシャの売り上げやユーザーデータにも及び始めていると指摘している。