ここ数年世界中で猛威を振るうランサムウェアだが、2014年からランサムウェアの状況を調査しているKaspersky Labが、2016年3月までの2年間(2014年度:2014年4月から2015年3月 / 2015年度:2015年4月から2016年3月)の調査結果を纏めている。

2015年の4月から2016年の3月までの期間にランサムウェアの攻撃に遭遇したユーザー数は同社のKaspersky Security Networks(KSN)の統計で2,315,931人で、前年度の1,967,784人から17.7%と大きく増加している。

ユーザーのコンピュータの自由を奪い、その解除と金銭の引き替え(身代金)を目論むランサムウェアだが、画面をロックする旧来の「画面ロック型ランサムウェア」とハードディスクのデータを暗号化してしまう「暗号化型ランサムウェア」の2種類がある。検知総数では旧来の「画面ロック型ランサムウェア」が上回っているものの、「暗号化型ランサムウェア」が2014年度の131,111人から、718,536人へと5.5倍と急増している。一方、画面ロック型ランサムウェアは、2014年度の1,836,673人から13.03%減の1,597,395人と減少傾向にある。

カスペルスキーでは、重要なデータとの引き替えに身代金を要求するこのランサムウェアに対しては、企業、個人問わずに定期的な重要データのバックアップが身代金支払いという最悪の自体を回避するため、これを推奨している。

また、企業向けのセキュリティ製品に搭載されている機能を無効にしないこと、定期的にパッチをあて最新の状態を保つこと、従業員にセキュリティ教育を行うことをアドバイスしており、万が一ランサムウェアの攻撃に遭遇した場合は、速やかに警察に通報するようにと述べている。