日立化成は6月27日、米国テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター(MDアンダーソン)と、血中循環がん細胞(CTC:Circulating Tumor Cells)を捕捉する高精細フィルター、血液自動処理装置および試薬からなるシステムの開発および評価について、4年間の戦略的提携で合意したことを発表した。
今回の提携において日立化成は、資金およびシステムを提供。一方、MDアンダーソンは、2016年5月に開始したバイオマーカーを特定するための大規模臨床試験において、同システムを検討、向上、活用するための専門知識を提供するとともに、がん関連遺伝子の発現・解析を含むCTCの遺伝子解析を実施。これにより、同システムで捕捉したCTCが、がんの遺伝子解析において臨床的有効性があるかどうかを確認する。
なお、CTCはすでに転移性乳がん、前立腺がん、大腸がんにおいて、予後予測のバイオマーカーとして価値が認められており、同臨床試験は、転移性乳がん、非小細胞性肺がんに対して実施される予定。
日立化成は、CTC由来のバイオマーカーを診断に適用することで、病状のモニタリング、予後予測、治療薬の効果予測等の臨床応用として、2021年までにがん診断市場に参入したい考えを示している。