村田製作所は6月22日、太陽光発電向けに1kW出力のミニインバータを開発したと発表した。

一般的な太陽光発電ストリングインバータは、ストリング設計や配線工事が複雑なうえ、影の影響を受けやすいなど環境耐性が低く、発電量の減少や発電停止、短寿命などの課題があった。一方、これらの課題を解決するマイクロインバータが米国で普及しつつあるが、コストが高い、変換効率が低い、系統連系規程への対応が不十分といった問題がある。

今回開発されたインバータは、このストリングインバータとマイクロインバータの利点を融合したもの。同社独自の高効率マルチレベル回路技術を用いた小型・薄型・軽量な設計と密閉構造により、一般的なストリングインバータと比べて省スペースで設置可能。さらに、小型ながら出力1kWを確保しているため、最適な分散化システムの構築、細かな単位での管理、施工や故障への対応が容易になる。また、マイクロインバータの課題である高効率、高発電量も実現している。

用途としては、建材一体化太陽光パネルや、向きが複雑、影の影響がある太陽光発電、細かな監視、単一障害点のないメガソーラーなどを想定。量産開始は2017年度中を予定しているという。

1kWミニインバーターの開発品