EMCジャパンは6月21日、都内で記者会見を開き、中規模から大規模プライベートクラウド基盤向けコンバージドインフラストラクチャ「VCE Vblock 350(ヴイシーイーヴイブロック350)」(VCE Vblock 350シリーズには、SDNソリューションとしてシスコACIおよびVMware NSXにあらかじめ対応した「VCE VxBlock 350」がある)シリーズを発表した。すでに提供を開始しており、価格は個別見積もり。
同シリーズのストレージは5月に販売を開始した最新のフラッシュストレージ「EMC Unity」、コンピュートとネットワークはシスコ、仮想化はVMwareの製品で構成。サーバ、ストレージ、ネットワーク、仮想化をパッケージ化して、ワンストップでデータセンターを刷新するソリューションとして提供する。ストレージは、オールフラッシュおよびハイブリッドフラッシュのモデルを選択できる。
VCEテクノロジー・ソリューション vアーキテクト 陳錦生氏は新製品について「サーバ、ネットワークなどアーキテクチャはXtremIOを搭載した『VCE Vblock 540』、VMAXを搭載した『VCE Vblock 740』と同じでストレージをUnityに置き換えたものだ。350の特徴としてはコストパフォーマンスなどが挙げられるほか、既存のVblockでもUnityを使うことができる。われわれは従来からTechnology Extensionsと呼ばれるストレージやサーバを既存のVblockに増設するアーキテクチャを実現しており、モジュラー型のビルディングブロックを備えたVscaleというアーキテクチャにより、既存のシステムでもUnityの搭載が可能だ」と説明した。
VCE VBLOCK 350の特徴は、多くの仮想サーバが混合するワークロードにおいてTCOを削減しつつ性能の向上が必要な環境に適しており、効率的なフットプリントなど中規模以上の企業内でリソースに制約のあるITプロフェッショナルのニーズに対応。加えて、オールフラッシュのデータセンターに高速で低リスクのパスを提供し、データプロテクションサービスはオプションで提供できる点などが挙げられる。
また、VCEテクノロジー・ソリューション vアーキテクト シニアマネージャーの三邉祥一氏は同社の開発・設計環境について「EMCとVMware、シスコそれぞれがNDA(Non Disclosure Agreement=機密保持契約)を締結しているため、各社が今後予定している製品開発のロードマップを理解したうえで、どの製品をどのように組み合わせていけば仮想化プラットフォームとして有効なのかを判断する。また、開発段階でそれぞれのエンジニアチームにサポートを依頼し、設計・開発に取り組む。さらに、RCM(Rlease Certification Matrix)という各コンポーネントごとのファームウェアやパッチをVCEで検証し、十分な時間と工数をかけた開発テストを行う」と述べた。
さらに、VCE Vblock 350は同ファミリーの740、540のハイエンド向けネットワークおよび、サーバアーキテクチャやコンフィギュレーションをベースに開発されており、ハイエンド向けの機能と同等の機能を有する。そのほか、管理がシンプルで拡張性も高く、オールフラッシュ搭載版としてはエントリーレベルからスタートできるという。