ブロードリーフは6月21日、製造工場における改善活動を支援する作業分析・最適化ソフトウェアの最新版「OTRS 10:OPERATION TIME RESEARCH SOFTWARE」の販売を開始し、先行顧客での運用を開始したと発表した。

現場改善ツールである同ソフトは、IE(Industrial Engineering)手法に準拠し、生産現場における人・モノ・機械の動きを動画分析・時間分析することにより、ムリ、ムダ、ムラを可視化し、作業時間の短縮・省力化・コスト削減を実現。スキルの高い熟練作業員と若手など未熟練作業員の動きを動画で撮影し、熟練・未熟練作業員の2つの動画をPCで見比べ、改善ポイントを抽出する。これにより、作業スキルレベル差によるバラツキをなくし、大幅な作業改善、コスト最適化を実現する。

「OTRS」導入効果

また、作業を0.03秒単位で細分化し、動画を見ながら徹底的に無駄を省き、理想的な作業手順を追求することができるため、スキルの高い熟練作業員においても、改善の余地を見つけられる。また、作業編成表(山積み表)作成にあたり、動作要素を自在に入れ替え、作業員に最適なタスクのシミュレーションを行うことができる機能を装備。改善のためのアイデアを容易に検証可能で、それを繰り返していくことで生産効率を上げ、生産目標を早期にクリアできるとしている。

「OTRS」画面例1

「OTRS」画面例2

新バージョン「OTRS 10」は、撮影した動画のPCへの取り込みや動画変換に時間がかかるなど従来の問題を解決し、改善に必要な時間を大幅に削減。PC操作に不慣れな担当者でもマウスだけの操作、標準化された手順により手軽に改善分析をが可能になり、改善担当者の負荷軽減と改善活動のスピード向上を実現するという。

OTRS 10は既にトヨタ自動車で導入されているほか、国立京都工芸繊維大学と連携し、伝統工芸の匠の技の伝承のためにも導入されており、職人の動作分析により暗黙知を可視化し、動画でわかりやすくスムーズに技の伝承を実現するという。また、造船業・製材所・食品製造・棚卸業務などさまざまなシチュエーションで改善のためのツールとして活用されている。