借りたい本が図書館に無い。そんな時には、近場の別の図書館へ行かなければならない。希少な本であれば、近隣ですら簡単に見つからない場合もある。Webだけでは得ることのできないデータ(蔵書)が図書館には大切に保管されている。富士通マーケティングは、ITの力で横断検索を可能とし、利便性の向上へと繋がった事例を発表している。

FUJITSU 文教ソリューション iLiswing公式Webページ

福岡県小郡市にある小郡市立図書館は、福岡県南部の佐賀県との県境に位置しているため、県外を含む12の近隣図書館との相互協力協定を締結していたが、従来システムでは、借りたい本が無い場合に相互賃借(自館に所蔵がない本を他の図書館から借り受けて提供)を依頼して取り寄せるか、協定図書館のホームページに個別に検索する、という煩雑な工程で本を探さなければならない状態だった。

利用者のニーズに応えられないと考えた同館と富士通マーケティングは、「FUJITSU 文教ソリューション iLiswing V3(アイリスウィン ブイスリー)」とカーリル社の横断検索サービス「Unitradローカル(ユニトラッド・ローカル)」とを組み合わせることで、県外を含む近隣図書館の蔵書を効率的に横断検索できるシステムを実現した。

カーリルは、全国の図書館を対象としたAPI群を開発者向けに提供するなど、"日本の図書館をもっと楽しく"をキャッチに図書館マップや本のレシピ、書評など楽しい図書館ポータルを展開している。富士通マーケティングは、Unitradローカルを横断検索サービスに採用することにより、協定先の図書館が導入しているシステムに依存せず検索が可能になったことや対象図書館が増えた場合でも容易に対応できるようになったことを成果として言及している。