東洋精機製作所と島根大学(島大)は6月15日、デジタルホログラフィを応用し、塗料の乾燥硬化過程を非接触かつ定量的に評価する装置「キュアテスタ」の開発と製品化に成功したと発表した。東洋精機は同日より、同装置の販売を開始する。

同装置は、島根大学大学院総合理工学研究科 横田正幸教授と東洋精機らの研究グループが開発を進めてきたもの。

同装置では、塗料面にレーザ光を照射し、反射光を参照光と干渉させたホログラム(干渉縞)としてCCDで逐次記録。記録したホログラムを数値計算(回折積分)すると物体像が3次元で再生できる。2秒間の塗膜変化を位相変化量として捉えて画像化することで、各時点での乾燥状態を調べることができるため、製造ラインの効率化、また達成すべき塗装状態から逆算した必要な塗料の量や、乾燥時間の設定が可能になる。

価格は650万円(税別)となっている。なお、9月14日~16日にパシフィコ横浜で開催される「InterOpto2016」にて展示される予定。

「キュアテスタ」

水性クリア塗料の塗膜 (左)強度画像。写真と同様に塗膜の像を表す (右)位相差画像。塗膜の変位や変形を表す。白く明るい部分は変化の大きい部分