安川電機は6月13日、ロボットの動作軌道を同社のロボットシミュレータ「MotoSimEG-VRC」上で自動生成するパスプランニング機能を開発したと発表した。
産業用ロボットでは、ロボットに動作を教える「ティーチング」作業がユーザーにとって大きな負担になることがあり、ロボット導入障壁の1つとなっている。
安川電機が開発したパスプランニング機能では、ロボットシミュレータ「MotoSimEG-VRC」上で動作開始姿勢と終了姿勢、および動作生成条件を入力することで周辺障害物を回避した軌道を自動生成するため、ティーチング時間を大幅に削減することができる。また、生成された軌道は同社のロボットプログラミング言語で動作するため、高速・高精度なプレイバックが可能。
障害物との干渉回避だけでなく、障害物との間に任意のクリアランスを保証しながらタクトタイムの短い動作を高速で生成するため、シミュレーション環境と実環境に誤差が合っても安心してプレイバックすることができる。さらに、把持した対象物の姿勢を一定に維持した軌道の生成が可能で、液体を入れた容器の搬送にも活用できるほか、ティーチングが難しい双腕ロボットでも左右のアームがぶつからないような軌道を簡単に生成することが可能だ。
このパスプラニング機能は、創薬・製薬・臨床検査などの自動化を実現するバイオメディカルロボットシステムや部品配膳システムへの適応が見込まれている。