IDC Japanは6月13日、国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場の2015年の実績と2016年~2020年の予測を発表した。今回、同市場を、インフラストラクチャ、ソフトウェア、サービスの3つの市場セグメントに分類し、分析を行った。
2015年の国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場は、前年比32.3%増の高い成長率を記録し、市場規模は947億7600万円となったという。同市場は、2020年に2889億4500万円となり、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は25.0%になると予測されている。
現在の市場は通信事業者やWebサービスプロバイダーなどの先行導入者のストレージを中心にしたインフラストラクチャへの支出が全体の50%を超えている。一方、新規の採用はパブリッククラウドの利用が急速に広がっており、ビッグデータ向けPaaSを含むソフトウェア・セグメントが最も高い40.8%の前年比成長率を記録した。
同社によると、ビッグデータテクノロジーへの取り組みはテクノロジー企業のみならず一般エンタープライズに拡大しており、ビッグデータアナリティクスがIoTやコグニティブコンピューティングを用いたデジタルトランスフォーメーション(DX)の基盤として認識されることで、企業の投資が拡大する傾向に拍車がかかっているという。
ソフトウェア&セキュリティマーケットアナリストの草地慎太郎氏は、「ユーザー企業や消費者におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が進行する中で、ビッグデータ/アナリティクスの提供する価値は向上している。ITサプライヤー企業は短期的なIT基盤インテグレーションの販売にとどまらず長期的なデータ活用のパートナーとしてユーザー企業に対してふるまうことで、ユーザー企業のビッグデータプロジェクトの規模を最大化することが求められる」と分析している。