リプロセルは6月7日、京都大学(京大)iPS細胞研究所との共同研究契約を締結したと発表した。同研究では、srRNAを用いたヒトiPS細胞から特定の種類の体細胞を作製する方法の開発を目指す。
これまでヒトiPS細胞から特定の種類の体細胞を作製する際には、主にタンパク質や低分子化合物を添加する方法が用いられてきたが、細胞によっては、作製効率は低く、要する時間も長いという課題があった。
同社が開発するsrRNA(self-replicating RNA)は一本鎖のRNAで、外来因子のゲノム挿入の恐れがないことが特長。複数の遺伝子を搭載させることも可能で、iPS細胞をはじめとしたさまざまな細胞に対して、効率よく持続的に目的の遺伝子を発現させることが可能。
同社によると、今回の共同研究では、srRNAを用いて効率のよい分化誘導方法を開発することにより、低コストで迅速に十分な量の特定の種類の体細胞を得られることが期待されるとしている。